
最近、様々なロゴが載ったリュックサックを背負っている人や、バイクや自転車を運転している人をよく見かけませんか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防対策として自粛ムードが漂っていることから、可能な限り自宅での食事を要請されています。
その影響で、手軽に食事を済ませられるデリバリーの需要はとりわけ増えました。
デリバリーサービスのなかでも特に耳にする「ウーバーイーツ」。
利用店舗が全国規模で拡大している本サービスについて、どのように飲食店は活用していくべきなのか、今1度この記事で確認しましょう。
ウーバーイーツの仕組みとは

ウーバーイーツは、加盟店・配達パートナー・注文者という三者間で成り立つサービスであり、それぞれがシステムに手数料を払っています。
飲食店がウーバーイーツのサービスを利用するには、ウーバーイーツのホームページからの登録が必要です。
飲食店の売り上げは、手数料もろもろの額を引いた金額をウーバー側が指定銀行口座に振り込む形になります。
ウーバーイーツに加入するメリットは以下の通りです。
- ウーバーイーツに配達パートナー登録をしている人達が食品を運んでくれるため、飲食店側が配達員を手配する必要がありません。
- 既に配達準備が整っている配達パートナーが近くにさえいれば、すぐに料理を運んでもらえるため、スピーディーに配達ができます。
- ウーバーイーツ側が金銭管理を行っているため、手作業でのお金の受け渡しがありません。
- 利用客に注文をキャンセルされても、ウーバーイーツのサポートに調理済みであることを報告し、認められれば、予定通りの注文額が振り込まれます。
- 店舗が繁盛し、デリバリーまで手がまわらない場合は、その状況に応じてお客様が注文できなくなるサービスが搭載されています。
また、お客様に限らず、配達パートナーへの対応が乱雑だったり、外で長時間待たされたりすると、配達パートナーがウーバー側に報告し、AIが配達が遅い店舗だと判断して検索画面の下位にまわりやすくなってしまうそうです。
最初に述べた通り、ウーバーイーツは加盟店・配達パートナー・注文者の三者があって初めて成立するので、お互いの思いやりがそれぞれのためになります。
ウーバーイーツ飲食店が支払う手数料について
避けようがないシステム利用料と、サービスを利用する以上準備が必要になるものへの費用などが、飲食店側のコストになります。
その内訳を具体的に見ていきましょう。
初期導入費用

登録自体は無料です。
基本情報をウーバーイーツのホームページに打ち込めば、2~3分ほどで完了します。
加えて、月額費用や解約金などもかかることはありません。
つまり、タダで事業をスタートできるというわけなのです。
しかし、出店にあたって実際のところ50000円ほどかかります。
50000円の内訳は以下の通りです。
- レストラン用ソフトウェア(英語メニュー作成・配達パートナーアプリ連動設定等)手数料
- プロによる料理撮影費
- 導入キット手数料
- タブレット端末の購入費
ただし、支払いが発生するのは出店後5週間目からで、30回払いとなっています。
しかも、毎週発生する売上から1667円が相殺される仕組みであることから、売上がない、もしくは少ない月は、費用を支払う必要がありません。
成果型の費用発生構造になっているのは、失敗に怯えながら始めなくて済むので、ありがたいシステムですね。
契約は一年更新ではありますが、途中解約でも返金は必要ないようです。
タブレットのレンタル

タブレットは購入しなくてもレンタルするという方法もあります。
毎月利用料金は1700円です。
レンタル用のタブレットはSoftBankの4G回線がすでに導入されているもの(SIMあり)になります。
わざわざインターネット環境を準備するのが面倒だったり、自信が無いなどといったオーナーのお店には、タブレットのレンタルをする方がお手軽でしょう。
注文に対する手数料

ウーバーイーツを導入した場合、店側に残る利益は売り上げの約25〜30%です。
これは、売り上げから手数料・原価・人件費・包装代が引かれることを踏まえています。
ウーバーイーツの手数料自体は、1件の注文につき注文総額(配達員の手数料込み)の35%です。
この割合は、悪天候だったり、受付時間に頻繁に変更があったりなど、様々な条件によって変動します。
ただし、手数料は毎月固定で引かれるものではなく、収益が発生しない限りは支払う必要もありません。
ちなみにお客様がデリバリーではなくテイクアウトを選んだときの手数料は12%です。
とはいえ、ウーバーイーツのテイクアウト料金は店頭価格より高いので、利用するユーザーは少ないでしょう。
ウーバーイーツ成功の秘訣
ウーバーイーツを始めるにあたって準備すべきものを把握したら、次はどのように上手く利用していくかを考えましょう。
ここではメニューの費用対効果が重要ポイントになり、それを軸にお客様の満足度を高めてロイヤルカスタマーを増やす方法を考えるべきです。
①原価計算に注意

先述した通り、売り上げからどれだけの額が引かれるかを考慮すると、原価率が高い食材を使用するのは危険です。
なぜなら、売れば売るほど赤字になる可能性も出てくるからです。
これは、独自のドリンクをメインに扱っているお店に特に起こりやすくなります。
たとえ店舗では人気メニューであっても安直には組み込まず、着実に稼ぐ方法を工夫しましょう。
たとえば、店頭価格よりも割高(10%増が一般的)に価格を設定したり、メニュー数を制限したりしているお店が多いです。
ウーバーイーツの利用者は、お店へ向かう手間を省ける代償として多少の割高は覚悟していますが、注文を躊躇しない程度の程よい金額設定を慎重に行う必要があります。
②メニューの豊富さ

限定メニューがあると、お客様がウーバーイーツを利用したメリットを感じやすいため、多少価格が高くても購入しがちです。
ウーバーイーツ営業部門日本代表の方も、オーダー傾向を見ると限定メニューが人気であると話しています。
参照記事:https://www.kikkoman.co.jp/gyoumuyou/special/post0012/index.html
限定メニュー・おすすめメニューは、少しでも多くの利用者の目に留まるよう、メニューの上部に表示されるように設定すべきです。
また、メインメニューを注文した際にサイドメニューのサラダ、味付け、ドリンクなどを表示させると、お客様も“ついで買い”をしやすいです。
メニューは最低15品は用意しておきましょう。
そして、お客様が料理のイメージを明確にできるように、写真と詳しい説明は必須要項です。
③お客様の待ち時間の満足度UP

「待ち時間を短縮する」工夫と「待っても気分が良くなる」工夫を考えましょう。
スムーズに準備できるようなキッチン設計や包装材選び、スタッフ同士の受け渡しトレーニングなどで待ち時間の短縮は実現できます。
5~10分程度で発送準備を完了させるのが理想的です。
また、商品にお礼のメッセージやおいしく食べるための温め方手順のメモを添えるなどのひと手間をかけるだけで、お客様が抱く印象は随分と違います。
コロナ禍の今こそデリバリー導入を

少しでも外食の機会を避けるために、国全体が自宅での食事を促すような仕組みを呼び掛けています。
制度だけでなく、国民の意識も自炊・デリバリー・テイクアウトに意識が向いているでしょう。
この世の中でデリバリー・テイクアウトを導入せずに店舗だけで経営をまわしていくのは正直厳しいです。
国から、もしくは各都道府県によっては、デリバリー・テイクアウトに協力的な飲食店に援助を行っているところもあります。
そのような公的支援の情報はこまめにチェックし、自分の飲食店が少しでも安定して運営していけるよう踏ん張りましょう。
まとめ
ウーバーイーツを導入するうえでの注意点や、経営を成功させるためのポイントは理解できたでしょうか?
ウーバーイーツ加盟店になるのであれば、様々なお得なキャンペーンを随時行っている今こそ、登録するしかありません。
デリバリーの需要が急増している現在、応募が殺到しているため、掲載に時間がかかるようです。
ウーバーイーツを上手く活用している他の飲食店の経験談などを聞きながら、自分の店に合った方法を考えていきましょう。
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