リピート率の向上は、飲食店の売り上げをアップさせるために欠かせないマーケティング戦略のひとつです。
今回は、飲食店におけるお客様のリピート率の向上が重要な理由、リピート率を上げるために必要な施策をご紹介します。
飲食店にとってリピート率向上は命題
飲食店にとって、売り上げを伸ばすためには次の3つのことが求められます。
- 新規顧客の獲得
- 客単価を上げる
- リピート率の向上
新規顧客を獲得するためには、チラシやクーポンなどの発行によるお客様の呼び込みや、SNSの運用、ホームページの製作が必要となり、人件費や広告宣伝費などのコストがかかってしまいます。
また、目先の売り上げを伸ばすために安易に客単価を上げてしまうと、顧客が離れてしまう可能性があります。
したがって、コストを最小限に抑えながら、飲食店の売り上げを伸ばすためには、リピート顧客を増やすことが重要となります。
リピート率を上げる大事なポイント5つ
リピート率を上げるための大事なポイントを5つご紹介します。
その①顧客情報を入手する

お客様の情報を入手することは、その後のダイレクトな情報の提供が可能となり、次回の来店動機につながります。
来店予約時やアンケートで得た情報から、お客様の好みのメニューや希望する座席タイプを記録しておくことで、再来店する際のサービス向上が実現できます。
また、お客様の個人情報が入手できた場合、DM送付やメールマガジン、割引クーポンなど次の来店を促すための最新の情報が送付できます。
このように、お客様の詳しい情報を管理し、次回来店の際により最適なサービスを提供することで、リピート顧客が増えていくでしょう。
その②割引クーポンを配布する
割引クーポンの配布は、リピート顧客の獲得に欠かせない施策です。
クーポンの配布方法には、会計時に次回に使えるクーポンを手渡す方法や、グルメサイトや予約サイトで割引クーポンを配布する方法があります。
飲食店へ来店したお客様にのみ、次回から使用できる割引クーポンをお渡しすると、特別感を演出できます。
割引クーポンの種類は、誕生日や記念日に利用できる割引クーポンや期間限定のクーポン、デザートやワンドリンクなどを提供するクーポンなど、お客様目線で次にまた来店して使いたいと思えるような魅力的な内容にするように心がけましょう。
その③ポイントカードを発行する
ポイントカードの発行は、効率的にリピーターを増やす手段です。
ポイントを貯めると「ワンドリンク無料」「5%割引」など、お客様がポイントを集めることで「得をする」システムにすることが大切です。
また、来店回数に応じて特典が増える仕組みにすると、さらにリピート効果が期待できるでしょう。
その④メニューを工夫する
リピーター率の高い飲食店は、お客様を飽きさせない努力をしています。
リピート顧客を飽きさせないためには、常にメニューを見直し、季節に合わせた旬の料理や飲み物を用意することが重要です。
季節限定メニューやクリスマス、バレンタイン、節句などの行事ごとのメニューの開発をして、お客様が新鮮な気持ちになるように工夫しましょう。
その⑤SNSを利用する
インターネットでの検索や情報収集の普及が進む現代において、SNSを利用したリピート率向上は大変有効です。
リピート顧客獲得につながるSNSの発信方法には、FacebookやTwitter、Instagramなどを通してお客様へ最新情報を提供する方法と、LINEなどからお客様に直接情報を送る方法があります。
SNSのなかでも、無料でアカウント開設できる「LINE公式アカウント」は、友だち追加したユーザー宛に一斉配信できます。
LINE公式アカウントからメッセージ配信を行うと、クーポンが配信やポイントカードを発行、お客様との個別のコミュニケーションを取れるなど、リピーターにつながる可能性が高まります。
- メッセージ配信:友だち追加したユーザーにメッセージが送れます
- タイムライン投稿:友だち登録しているユーザーのタイムラインに情報が投稿できます
- LINEチャット:ユーザーからの問い合わせに対し、トークと同様にコミュニケーションができます
- リッチメニュー:ユーザーがトーク画面を訪れた際、画面下部に大きくメニューが開きます
- ショップカード:ポイントカードを作成・発行できます
- クーポン・抽選機能:お店で使用できるクーポンや抽選を作成できます
【参考】LINE公式アカウント
リピート率が低い飲食店にありがちな残念なポイント
リピート率が低い飲食店は、次のような残念なポイントが目立ちます。
その①リピート顧客を覚えていない
飲食店をリピートするお客様は、以前も利用したことをお店から覚えてもらっていると、特別感を感じるものです。
逆に、再来店したお客様を覚えていないお店にはがっかりして、リピートの機会を失う可能性が高くなります。
リピート顧客を増やすためには、お見送りの挨拶の際に、お客様へ「いつもご利用ありがとうございます」「またお待ちしております」とちょっとした一言を添えてみましょう。
お店から再来店のお礼と次回来店を促す挨拶があると、「また来たい」と感じ、リピートに繋がりやすくなります。
その②メニューやサービスの質が客単価と見合っていない
お客様が飲食店をリピートする際に重視することは、「価格が安い」「料理がおいしい」「居心地がよい」という、味や価格、サービスに関することです。
ホットペッパーグルメ外食総研が行った「飲食店リピート実態&リピート要因調査」によると、リピート利用するお店において重視する点は、「料理がおいしい」に次いで「コスパがよい」「席がゆったりしている」という結果でした。
この調査結果から、お客様がまた行ってみたいと思う飲食店を選ぶポイントは、味や価格、居心地のよさであることがわかります。
お客様の心を離さないために、常にお客様に「コストパフォーマンスがよい」と感じられるようなメニュー開発と雰囲気づくりを続ける努力が必要です。
その③接客態度が悪い
コストパフォーマンスやお店の雰囲気づくりに重点を置いても、スタッフの接客態度が悪い飲食店には、お客様は寄り付かなくなってしまいます。
お店のスタッフの細やかな気配りや快い対応、笑顔に魅かれて再来するお客様は少なくありません。
コロナ禍の今こそリピート率向上に注力を
新型コロナウイルスの影響によって飲食店業界への打撃が続く中、コストパフォーマンスやサービス重点を置いてリピーターを獲得することは、お店を存続させるために必要不可欠です。
コロナ渦の今こそ、コストのかかる新規顧客の獲得よりも、リピーター率の向上に力を入れ、売り上げを上げることが大切です。
リピート率を高めるために重要なことおさらい
リピート率を高めるために重要なことを、おさらいしましょう。
- 顧客情報を入手し、最適なサービスを提供する
- 割引クーポン、ポイントカードを発行して次回来店を促す
- メニューを工夫し、お客様のニーズを掴む
- SNSを利用して、最新情報の発信を行う
- お客様と直接コミュニケーションを取る
そして、リピート率が低い残念なお店に共通する対応例は次のとおりです。
- リピート顧客を覚えていない
- コスパが悪い
- スタッフの接客態度が悪い
飲食店のリピート率向上まとめ
飲食店のリピート率を向上するためには、リピート顧客の重要性を理解し、リピーターにつながるお店の施策を取り入れることが必要です。
今回ご紹介したリピート率向上のためのポイントを実行すれば、自然とリピート顧客は増えてくるはずです。
コロナ時代を乗り越えるためにも、できる施策から取り入れてみてはいかがでしょうか。