個人経営の飲食店や小規模事業者を代表とする地域に根付いた店舗ビジネスを、ローカルビジネスといいます。
ローカルビジネスにおける集客対策は、昔ながらの新聞広告やチラシ、DMなどを中心に行ってきました。
しかし近年は、スマートフォンや検索エンジンの普及が進み、Webマーケティングによる集客施策が重視されるようになってきました。
今回は、ローカルビジネスにおけるWebマーケティングを行う際に重要なポイントをご説明します。
ローカルビジネスはこの3つのWebマーケティングを押さえよう
ローカルビジネスでWebマーケティングを行うには、以下の3つの施策が重要となります。
MEO
MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略で、Googleマップなどのマップエンジン検索上での表示を上位にするための最適化施策を表す言葉です。
MEOは、広義においてSEOに分類されるため、「ローカルSEO」とも呼ばれています。
ローカルビジネスにおいても、MEOは重要視されています。
SEO(業種名+小さな地域名)
SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索エンジンの検索結果において、上位に表示させるための対策のことです。
地域名を含んだSEO対策とは、「業種名+小さな地域名」というようなキーワード検索で、上位表示を目指すことです。
Instagram(インスタグラム)とは、20代~30代の若者を中心に人気を博している、無料の写真共有SNSです。
拡散性の高いInstagramを活用した集客対策は、ローカルビジネスにとっても必要不可欠なこととなっています。
ローカルビジネスのMEOについて
ローカルビジネスのMEOについて、詳しく解説していきます。
ローカルビジネスでのMEOの重要性
MEOとは、具体的にはGoogleマップに掲載されている自社の情報を、検索アルゴリズムによって上位表示させることをいいます。
株式会社フルスピードが行った「Googleマップ利用者へのアンケート調査」結果では、調査対象ユーザーのうち、Googleマップを日常的に利用しているユーザーは半数以上を占めていることがわかりました。
この結果から、Googleマップを利用したロケーション検索は、ユーザーから高い関心を持たれていることがうかがえます。
MEOは対象エリアに制限がなく、実店舗でサービスを行うすべての事業で対策が可能であるため、ローカルビジネスにおける重要性も高まっています。
見込める効果
MEO対策を行うことで、Googleの検索結果で表示されるマップ上に、店舗の詳細情報を表示させることができます。
例えば、Googleで「長野県松本市+団子屋」と検索すると、下記のように団子屋の情報が表示されます。
さらに、表示された店舗のページを開くと、店舗の詳細情報が表示されます。
おこなうべきこと
ローカルビジネスにおいてMEOを行う際、最初に行うべきことは、「Googleマイビジネス」に登録することです。
Googleマイビジネスに登録する項目のうち、主な情報は次のとおりです。
- 店舗名・会社名
- サイトURL
- カテゴリ
- 店舗の有無
- 住所・電話番号
- 営業日・営業時間
- マップ上での所在地指定
- 画像
- 紹介文 など
Googleマイビジネスに登録することで、Googleの検索結果から、登録した実店舗がマップ上に表示されます。
ホームページを経由することなく、Googleで検索しただけで店舗の詳細情報がヒットするため、集客効果を高めることができます。
MEOの活用事例
Googleマイビジネスで登録した情報はGoogleマップだけでなく、店舗名でのPCの検索結果にも表示されます。
例として「神戸箸屋」で検索すると、このように検索結果画面の右側に店舗の詳細情報が表示されます。
この店舗の詳細情報は「ナレッジパネル」といい、アルゴリズムによって自動的に生成されます。
店舗名での検索結果には、Googleマイビジネスで登録した情報のほかに、お客様が投稿したユーザーレビューも表示されます。
ユーザーレビューの数や評価、クリック数などはMEOにおける評価にもつながるため、お客様満足度が高い店舗ほど、上位表示される仕組みです。
ローカルビジネスのSEO(業種名+小さな地域名)について

ローカルビジネスにおけるSEOとは、「ローカルSEO」とも呼ばれ、限られた地域に関する検索結果を上位表示させる最適化のことをいいます。
業種名+小さな地域名でSEOを取っておく重要性
「業種名+小さな地域名」の組み合わせで検索した際の検索結果は、「ローカル検索結果」といい、SEO対策を徹底することで上位に表示されます。
地域の店舗がローカル検索結果に上位表示されるということは、集客に直接影響を受けるため、SEO対策は重要なポイントとなります。
見込める効果
地域店舗がキーワード検索におけるSEOを取り入れると、検索行動を起こしたユーザーを誘導しやすくします。
ローカル検索結果画面に表示される店舗は現在、上位3店舗です。
この上位3店舗に表示されることで、ユーザーからのクリック数が増加し、さらなる流入の増加が見込まれます。
おこなうべきこと
ローカルSEOで行うべきことは、先述したMEO対策のほかに「ユーザーの検索意図の把握」「タイトルの最適化」「モバイルフレンドリーの導入」などが挙げられます。
ユーザーの検索意図の把握とは、検索する際の具体的な意図を知り、ユーザーに最適な情報を提供することです。
タイトルの最適化とは、SEOに効果的なタイトルの文字数やキーワードを取り入れ、ユーザーが検索したときに見つけてもらいやすくすることです。
そして、モバイルフレンドリーの導入は、PCだけでなくスマートフォンからの閲覧がスムーズになるように最適化することをいいます。
これらの対策を行い、ユーザーが求めている情報が表示されると、自然と上位表示化されていくでしょう。
SEOの活用事例
SEOを上手に取り入れているローカルビジネスをご紹介します。
まず「福岡県中央区+花屋」で検索してみると、下のような検索結果が表示されました。
検索結果2位の「ア ウエスト-アッシュ」のホームページを見てみると、「レスポンシブウェブデザイン」が実装されており、モバイルフレンドリーなつくりとなっています。
レスポンシブウェブデザインとは、画面サイズによってデザインを変化させる機能です。
下は、同じホームページのURLをスマートフォンで閲覧した場合の表示です。
ホームページのデザインが、スマートフォンの幅にあわせて変化しているのがわかりますね。
レスポンシブウェブデザインは、PCページもスマートフォンページも同一URLで表示させることができます。
スマートフォンユーザーにとっては、わざわざ「スマホ表示版」へリダイレクトする必要がないため、ページの評価も分散されずに済みます。
ローカルビジネスのInstagramについて
SNSを活用した集客施策が一般化されるなか、ローカルビジネスにおいてもInstagramを使ったマーケティング戦略が注目を集めています。
Instagramを活用する重要性
Instagramには、個人アカウントのほかに、ビジネスで利用可能なアカウントがあります。
ビジネスアカウントの特徴的な機能は下記のとおりです。
- 電話・メール・予約などのボタン表示
- カテゴリ選択
- DM受信
- インサイト機能
- Instagram広告
- ショッピング機能
国内3,300万人の月間アクティブアカウント数を誇るInstagramは、ブランドの認知度向上や販売促進につながるSNSとして、多くの企業が利用しています。
Instagramユーザーのうち、80%がビジネスアカウントをフォローしているというデータからも、ビジネスアカウントの影響力の大きさが読みとれます。
Instagramを活用した集客対策は、ローカルビジネスにおいても十分に効果を期待できるでしょう。
見込める効果
Instagramのビジネスアカウントでは、「インサイト機能(データ分析)」が利用できます。
インサイト機能では、アカウントのフォロワーに関する年齢や居住地、利用している時間帯などの情報を知ることができます。
また、アカウントのプロフィール欄には「連絡先」のボタンを表示することができ、店舗の住所や電話番号、営業時間などを記載することができます。
さらに、「Instagram広告」を投稿することができます。
ビジネスアカウントの機能を利用するだけで、見込み客ともいえるフォロワー層の分析、店舗への予約や来店の誘導、広告による自社のPRができるため、集客力アップが大いに見込めるでしょう。
おこなうべきこと
Instagramの設定でまず行うべきことは、プロアカウントを登録し、ユーザーの目に留まりやすくすることです。
そしてなにより大切なことは、継続して投稿を続けることです。
SNSは、投稿を続けなければどんどんユーザーからのアクセス率が低下してしまいます。
- ターゲットユーザーを明確にする
- ターゲットにあわせたハッシュタグを入れる
- 定期的に投稿する
- 「いいね!」やコメントの獲得を意識する
- 投稿する写真の世界観を大事にする
- インサイト機能を活用して分析を行
これらのポイントをおさえ、フォロワーを増やすことで、自然と集客につながることでしょう。
Instagramの活用事例
ローカルビジネスでInstagramを活用した事例をご紹介します。
徳島県鳴門市のこちらのホテルでは、Instagramでターゲットを「ファミリー層」に絞って投稿を行っています。
写真付きで「お子様用プール」を紹介することで、家族連れの旅行客にうまく訴求している投稿となっていますね。
こちらの神戸市のロールケーキ店では、Instagramに商品写真を投稿する際にハッシュタグを入れ、検索条件にヒットしやすいように工夫しています。
今はウィークインの時代ではなく、サーチインの時代
インターネットが普及する以前は、歩きながらお店に入る「ウォークイン」が主流でした。
しかし、スマートフォンの所持率が上がり検索エンジンが進化した今の現代、ネットで調べてからお店に入る「サーチイン」が主流になっています。
ローカルビジネスこそ、今Webに露出していくべき
インターネット検索が情報収集の主流となった今、ローカルビジネスもWebマーケティングによる集客対策は無視できなくなりました。
ローカルビジネスこそ、SEOやMEOをしっかり勉強し、時代に取り残されないようにWebマーケティングを上手に導入していくべきでしょう。
ローカルビジネスのWebマーケティングまとめ
今回は、ローカルビジネスがWebマーケティングを行う際に重要なポイントをご紹介しました。
地域に根ざしたビジネスこそ、ご紹介したような施策を取り入れ、全国各地からの集客を狙うべきではないでしょうか。