ブランディングとは何か?これからの時代必須であること間違いなし

ブランディングとは一言で言えばブランドを消費者に認知させるための活動です。

ブランドと聞くと高級品をイメージしがちですが、それに限った話ではありません。

この記事では「ブランディング」・「ブランド」の本当の意味、そしてブランディングの成功例からブランディングの重要性をお伝えします。

ブランディングとは何か?そのメリットは?

ブランディングを説明するには、まずブランドの意味を正しく理解しなければなりません。

ブランドとは、消費者が特定の商品やサービスに対して抱く価値やイメージを指します。

ブランドを形作るものは、ロゴ、キャッチフレーズ、デザインなど様々です。

そしてブランディングの意義は、市場における自社(商品)のポジションを確立化させることです。

ブランディングを成功させて安定した市場を持つメリットは、企業側・消費者側どちらにもあります。

  • 企業側

第一に、競合他社との価格競争に常に怯える心配がなくなります。

余裕を持って自社商品の開発・改善に専念することができ、それによって商品サービスに対して愛着・信頼を持ってくれるお客様がどんどん増えていくでしょう。

多少プレミアム価格として高価になっても、買ってくれるだけの安心感があります。

また、ブランドが世間に定着するということは、認知度が上がるということです。

すると、広告宣伝に多額のお金を費やさなくても顧客を獲得できるようになります。

顧客だけでなく、その企業に憧れたやる気のある優秀な人材も自然と集まります。

ブランドはそのまま信頼に結びつくので、ビジネスを進めていくうえで他企業との取引や交渉の場で優位に立てるでしょう。

  • 消費者側

一般的な認知度の高さ故に、買い物で迷っていても「とりあえずここの商品を買っておけば間違いないだろう」という風に、商品を探す手間が省けます。

飲食店でも同じような経験がありませんか?

その企業のことをある程度知っているということは、その分機能面や価格面におけるリスクを回避することができます。

また、自分のイメージを他者に示すためにブランドを利用するお客様もいます。

それは高級品に限ったことではありません。

身近な企業のブランディング例

 その① チロルチョコ

チロルチョコ株式会社 Facebook

そもそもチロルチョコには、1962年の当時はチョコレートが高級品だったことから、「子供のお小遣いでも買える10円のチョコ」という個性がありました。

しかし、そんな低価格のチョコレートが50年近く続くベストセラー商品にまで成長したのは、メインの販売チャネルを駄菓子屋からスーパーやコンビニに切り替えたことが大きいです。

1980年代から駄菓子屋が減少し、コンビニが台頭し始めたことで、当時の社長が販売チャネル・販売地域・購買層の3要素を広げていく「三拡運動」という戦略をとりました。

駄菓子屋時代に築き上げたチロルチョコのイメージと、時代の流れを読んで売り方を合わせていく力があったからこその英断と言えるでしょう。

また、チロルチョコはブランディングにあたって味もこだわっています。

常に新しいフレーバーと定番を売り場に混在させることで、お客様はいつでも飽きることがありません。

トップ・センター・ボトムの3層構造によってパッケージデザインを完全再現した味は、チロルチョコならではの強みです。

参考記事: https://spydergrp.com/columns/global/1667/

 その② マツダ

マツダは、かつて「マツダ地獄」と呼ばれた苦境を経験しています。

幅広く顧客支持を得るためにマルチチャネル化に乗り出し、車種のラインナップを過剰に増加させた結果、マツダのイメージが分散してしまったのです。

なんとか新車を売ろうと値引き戦略に踏み込んだことで下取り価格の採算が大幅に狂い、他メーカーでは買い叩かれるため、マツダディーラーが高く買い取って安く売るしかないという負のスパイラルに陥ってしまいました。

そこでマツダは、世界シェアを拡大することよりも、既存の2%のファンの走る歓びを満たす自動車をつくるという「2%戦略」に切り替えます。

「Be a driver.」という新たなブランドアイデンティティを掲げ、車ではなく人にフォーカスを当てたのです。

例えば、マツダは「魂動デザイン」という独創的な新しいデザインコンセプトを採用した際、ほとんどの自動車製造会社が行う発売前の新型車を一般の人に見せてその評価を聞くことを、敢えてしませんでした。

その後も魂動デザインを基調としたニューモデルを開発しているので、どのモデルも一目でマツダとわかります。

また、現在もマツダの主力製品となっているデザインと機能に優れた「アテンザ」セダンは、2009年に実施した、新型車開発を前に世界から集めた5人の熱狂的なファンとの綿密なヒアリングから誕生したものです。

このように過去から一変した運営改革が実り、ブランディング活動を評価するアワード「ジャパン・ブランディング・アワード2019」において、最高賞となる「ベスト・オブ・ベスト」を受賞しました。

参考記事: (1)https://www.imajina.com/brand/entry/419 (2) https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55851?page=3

 その③ ヤンマー

ヤンマーは、2014年に次の100年を見据えた「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」を立ち上げました。

当時のヤンマーの課題は、日本やアジアでは農機具のトラクターのイメージ、欧米ではモナコあたりに停泊している高級ヨットのエンジンのイメージで、まったく異なるという点でした。

そこで、世界市場で活躍する企業へと成長するために、企業イメージをグローバルで統一して打ち出すことを決意します。

ヤンマーの社長は、内部でこれまでいろいろな改革を行ってきたものの、その改革の成果が”外”から見て明らかでなければ意味が無いと考え、外部のクリエイターに協力を依頼しました。

世界に目を向けてみると、世界市場ではデザインを売りにしたブランド戦略が成功しているにもかかわらず、多くの日本企業はなかなか経営の中心にデザインを据えようとしないことに気付きます。

ダサいデザインは売れず、経営者がデザインのことを理解していないとオシャレなデザインは生まれません。

そこでヤンマーは、ブランドを象徴するシンボルマークを新しくデザインし、商品や農作業のためのウェアのデザインを世界的に活躍するデザイナーに依頼しました。

コンセプトモデルの作成やロゴ改新によって、刷新したブランドイメージをアピールする方法は、一般消費者との接点が少ないBtoB企業であるヤンマーにとって効果的な宣伝でした。

参考記事: https://www.fullthrottle.co.jp/blog/yanmar/

その④ フランセ

売上が前年割れする状況が続いていたフランセは、60周年という節目をきっかけに、主な顧客層だった50代~60代から、将来を見据えて若い世代にターゲットを移しました。

意識したことは、老舗ブランドとして守り続けてきた土台は崩さずに新しい要素を取り入れようとした点です。

やりたい方向性を明確にするために、お菓子の原点である“果実”と“木の実”をテーマに味を考えることと、軸となる商品を3つに絞ることから始めました。

多種化よりも厳選した商品の質上げを重視したのです。

また、女性をターゲットに据えたことで、お菓子の形状を女性の小さな口でも食べやすいように細長くしたほか、パッケージや店舗のデザインもリニューアルしました。

新しいフランセのマークが全面に描かれた華やかな紙袋は、お客様が街中で持ち歩くだけで広告塔になっています。

加えて、シュクレイと統合したことによって、カウンターから出て積極的にお客さまにお声がけして試食をすすめていく“超試食販売”という手法をとるようになってから、よりお客様にフランセの魅力が伝わりやすくなりました。

参考記事:(1) https://visual-shift.jp/13640/ (2) https://visual-shift.jp/13660/

 その⑤ エスエス製薬

エスエス製薬のブランディングの成功例といえば、ハイチオールCです。

1996年ごろに売り上げが低迷したことをきっかけに、それまでの「男性向けの2日酔いの改善薬」という売り文句から「女性の美白対策(しみ・そばかす対策)」 に変更しました。

これは、ハイチオールCに含まれる成分であるLシステインが、二日酔いを緩和する肝臓への作用だけでなく、しみの原因になるメラニン色素の無色化や、肌の新陳代謝を助ける効果も持っていたからです。

多くの女性が継続的に飲めるよう考慮した結果、1回あたりの服用量を4錠から2錠に減らしたことで1瓶あたりの錠数が少なくなるので、それに伴ってや値段も下げています。

流通チャネルも若い女性が買いやすいドラッグチェーンの取り扱いを強化しようと、営業活動の重点を街の薬局からドラッグストアに移しました。

ドラッグチェーンの増加も影響し、売上高は飛躍的に拡大したそうです。

また、会員制のウェブサイト「ハイチオール肌クラブ」をオープンし、薬の服用を自分で管理して飲み忘れを防ぐ「お薬ダイアリー」や「肌占い」などコンテンツと組み合わせて商品の売り上げに貢献しています。

参考記事: (1)https://www.missiondrivenbrand.jp/entry/kaitai_brandingcasestudy

(2) https://namingpress.com/?p=2725

ブランディング成功のポイント

ブランディングが成功している企業は他にもたくさんありますが、この記事で挙げた企業だけでもいくつか共通点が見えてきました。

その① “ターゲット”と“売りたいもの”を明確に

ターゲットとなる顧客層をハッキリとさせ、その層の心にピンポイントに刺さるものを提供することが最も欠かせない要素です。

マツダはマルチチャネル化したこと、ヤンマーはアジアと欧米で企業イメージが異なることが当初の課題に挙がっていました。

たしかにより多くの層が満足する商品を提供したくなりますが、確実に気に入ってくれるファン層を増やしていく方が結果的には安定した収入に繋がります。

そして、ブランド作りの目標はシンプルで明確なものでなければいけません。

消費者の側からすると、その企業が何を売り出したいのかさっぱりわからなければ、興味を持ってもらえないからです。

ターゲットが定まれば、それに合わせて商品の改善点や売り出し方の道筋も導かれていきます。

 その② 他企業との差別化ポイントを見つける

売り上げが伸び悩んだときは一回原点に立ち返り、自社のどのような部分が既存の顧客に受け入れられているのかを改めて見つめ直す必要があります。

企業のルーツを辿って見えた“強み”こそがブランドになるのです。

チロルチョコは3層構造、フランセは軸となる商品の厳選、エスエス製薬はハイチオールCに含まれる成分の新たな発見ですね。

ヤンマーも自社の誇れるポイントは何なのかを再認識したことで、統一したデザインが生まれたのです。

個性が弱まったホンダは「Be a driver.」という指針を新しく定めています。

場合によっては、商品やサービスそのものを大きく変えなくても、消費者へのアピール方法を改善することで、認知度と一緒に売り上げが向上することもあるでしょう。

 その③ 環境分析を行う

同じ業界のライバル企業の様子や、政治・景気・流行・技術進歩などの外部環境要因を分析することで、ビジネスを始めるタイミングや売り出し方法を見極めましょう。

リブランディングに乗り出すタイミングとしては、自社の影響力や売り上げが低迷し、顧客とのニーズのズレを感じ始めた頃をおすすめします。

また、ターゲット市場に既に強力なオンリーワンが存在する場合、それに対抗するのは少々リスキーです。

新しい技術が開発されたことで、これまでなかったビジネスが急に牙を向いてくることもあります。

コンビニやドラッグチェーンの展開拡大を察知し、流通チャネルを移したチロルチョコやエスエス製薬のように、時代の波に柔軟に対応できる企業が長く生き残れるのです。

まとめ

他の企業に無い世界観、売り出し方を徹底し、その価値を消費者に認めてもらうことで初めてブランドは成立します。

唯一無二の価値というものは、自社の課題点・強み・目指す方向を明確にしたところから生まれるものです。

縮小しつつある日本市場でビジネスを展開していく上で、ブランディングの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。

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